カリスマ投資家が「ナンピン買い」する地味株

株が下がった後に買い増す「ナンピン」は難しい。カリスマ投資家の内田氏は今回2銘柄で挑戦してみた。はたしてうまくいくだろうか(写真: Fast&Slow / PIXTA)
トルコリラ急落には揺さぶられたものの、日本株は9月に向けて遅まきながらも反発ムードも漂ってきた。そんななか、カリスマ投資家の内田衛氏は8月中下旬の相場をどう乗り切っていたのだろうか。どうやら、結果として高値づかみしていた株の「ナンピン買い」をしつつ、次のチャンスをうかがっているようだ。いつものように「株日記」で見てみよう。
「QBハウス」の株は絶好調!
【8月13日 月曜日】先週末の日経225先物は、100円安の2万2200円。NYダウは196ドル安の2万5313ドルと3日続落。トルコリラ急落を嫌気し、日経平均株価は、440円安の2万1857円と大きく下落。4日続落で、4日間で805円の下げとなった。

この連載の一覧はコチラ
こんな中でも、内需株の日本郵政(6178)は、30円高の1258円、すかいらーく(3197)は、19円高の1583円と逆行高。ヘアカット専門店のキュービーネットホールディングス(6571)は、引け後、2018年6月期決算を発表した。6月期末配当は、18円となり、配当性向は、20.8%となった。また、2019年2月より価格改定(1080円から1200円)、シニア(65歳以上)平日1000円から1100円を発表した。理美容師の採用・育成への積極的な投資や、店舗スタイリストの安定的な待遇改善を目的としたことのようだ。ちょっと安すぎると思っていたので、この値上げには理解されるのではないかと思う。本日の終値は37円安の1993円。
【8月14日 火曜日】日経225先物は、170円高の2万2060円、NYダウは、4日続落で、125ドル安の2万5187ドル。9時、1トルコリラは、15.90円と16円割れ。ちょうどお盆休みや夏休みで海外旅行へ行くなら、今の時期、トルコがいいかも。また、FX(為替証拠金)取引でトルコリラを持っていて、トルコリラで出金できるなら、思い切ってトルコに行って使ってくれば、含み損も少しは減らせるかもしれない。アルゼンチンは、5%の緊急利上げを発表し、政策金利は年45%になった。
居酒屋「塚田農場」などを展開しているエー・ピーカンパニー(3175)を590円で200株ナンピン買い。3月27日に820円で100株買っている。昨日、決算発表と値上げを発表したキュービーネットホールディングスは、215円高(10.78%)の2208円と大幅高で値上り率第4位。日経平均は、498円高の2万2356円と大幅高した。「スルガ銀行員(本店営業部の男性行員)が、顧客3人の定期預金を不正に解約して、1億6500万円を流用で懲戒解雇」と報道。スルガ銀行(8358)の終値は、10円高の811円。
【8月15日 水曜日】日経225先物は、10円安の2万2310円、NYダウは、112ドル高の2万5299ドル。地盤ネットホールディングス(6072)を255円で100株ナンピン買い。345円で100株買っているので、平均買値300円で200株保有となった。
ナンピン買いについては、原則、自己のナンピンルールに基づいて行っている。初心者の人がやりがちなナンピン買いとしては、たいして下がっていないのに、すぐに買い増ししてしまい、さらに下落し傷口を広げてしまう(損失拡大)。いわゆる下手なナンピンです。これについては、私も初心者の頃、経験済みなのです。これを回避する方法としては、基本的に「1割から3割程度下がらないとナンピン買いはしない」、かつ、「最初に買ってから時間を空けること」です。しかも時間については、半年だったり、場合によっては1年以上経ってからナンピン買いすることもあります。これができるかどうかが、下手なナンピンになるのか、有効なナンピン買いとなるのかの違いです。
2017年の年初から、節税のため、iDeCo(個人型確定拠出年金)を、SBI証券で月額掛金上限の6万8000円で運用しているのだが、1年半も経ってどうなっているのか、初めてログインしてみたら、なんと全額、「スルガスーパー定期1年」(利率は0.01%)で運用されていた。何の運用指示もしていないので、SBI証券では運用指示がなければ、スルガスーパー定期に入るようになっているのだろう。
運用先を「スルガ銀定期」から「あおぞらDC定期」へ
SBI証券に電話で確認したら、「万一スルガ銀行が破綻しても元本は保証される」ようであるが、私の年金資金が経営破綻したシェアハウスの会社に融資されていると思うと嫌だなぁと思い、今までの掛金分とこれから引き落としの運用先をスイッチングし、あおぞらDC定期1年(利率は0.02%)に変更した。
また、元本確保型で運用しているのに、元本割れしていたのは、始める時の手数料2880円と月々167円〔国民年金基金連合会口座管理手数料103円、事務委託先(資産管理機関)口座管理手数料64円〕が引かれているからだった。あおぞら銀行(8304)(旧日本債券信用銀行)は、しばらく見ているが、なぜかいつも配当利回りが高いのですよ。四半期配当を実施していて、年間予想配当は184円。本日の株価は、3915円なので、配当利回りは4.69%。優待保有銘柄のスクロール(8005)が、一時、16円高の842円をつけ、年初来高値更新。日経平均は、151円安の2万2204円。
【8月16日 木曜日】日経225先物は、190円安の2万1990円、NYダウは、137ドル安の2万5162ドル。訪日観光客数の伸びが鈍化したということで、インバウンド関連株が急落。ファンケル(4921)は、570円安(9.76%、値下り率5位)の5270円、コーセー(4922)は、1590円安の18020円、松屋(8237)は、111円安の1150円、ビックカメラ(3048)は、54円安の1421円。トルコリラは、19円台回復。キュービーネットホールディングスは、36円高の2250円と高値引け。だけど、2250円は、IPO(新規株式公開)の売り出し価格なので、配当18円はもらってはいるものの、ようやく振り出しに戻った感じ。日経平均は、12円安の2万2192円。
【8月17日 金曜日】日経225先物は、130円高の2万2290円、NYダウは、396ドル高の2万5558ドル。上海株、2年7カ月ぶり安値。トルコ投信、資産2000億円目減りと報道。日経平均は、78円高の2万2270円。
【8月18日 土曜日】日経225先物は、10円安の2万2250円、NYダウは、110ドル高の2万5669ドルと半年ぶりの高値。アメリカの格付け2社、トルコ国債格下げを発表。
【8月20日 月曜日】宅配の路上駐車、2019年夏解禁、警視庁が都内100カ所超で、と報道。このニュースを好感したのか、9月の配当権利取りの買いかわからないが、日本郵政が、22円高の1295円と反発。日本郵便は、日本郵政の100%子会社。日経平均は、71円安の2万2199円。
【8月21日 火曜日】日経225先物は、前日比変わらずの2万2160円、NYダウは、89ドル高の2万5758ドルと3日続伸で、6カ月半ぶりの高値。引け後、スルガ銀行は、第三者委員会調査で「不適切融資1兆円規模」と報道。スルガ銀行の終値は8円安の770円。日経平均は、20円高の2万2219円。
スルガ銀行は「失われた20年」に懲りなかったのか?
【8月22日 水曜日】日経225先物は、100円高の2万2320円。NYダウは、63ドル高の2万5822ドル。昨日の引け後、7月の月次売上高を31%増の65億円と発表したスクロールは、14時46分、79円高の870円の年初来高値を更新した。終値は、72円高(9.10%、値上がり率9位)の863円。平均買値308円で5100株保有中。
スルガ銀行は、9時19分、95円安の675円で寄付き、9時24分には、150円安ストップ安の620円をつけ、そのまま引けた。日経新聞朝刊によると、スルガ銀行は、融資総額3兆1500億円のうち、審査資料改ざんなどの不適切融資が1兆円ということで、呆れ果ててしまう。
1990年の大発会から始まった平成不動産バブル崩壊で失われた20年で懲りていないのだろうか? スルガ銀行の時価総額は、約1440億円程度で、不適切融資1兆円が丸々返ってこないということではないが、まともな状態になるまでには、かなりの時間がかかりそうだ。日経平均は、142円高の2万2362円。
SBI証券から、親展で重要なお知らせが届き、中を開けてみたら、iDeCoの運用商品の除外に関するご案内だった。その中に、スルガ確定拠出年金スーパー定期(1年)があった。SBI証券としても真っ当な対応だと思う。今後、このようにスイッチングで資金流出となると、スルガ銀行にとっても再建が厳しくなるのは必至だ。
【8月23日 木曜日】日経225先物は、50円高の2万2370円。NYダウは、88ドル安の2万5733ドル。スルガ銀行は、57円安の563円、1月10日の高値2569円からすると78%安と厳しい下げ。日経平均は、48円高の2万2410円。
【8月24日 金曜日】日経225先物は、80円高の2万2490円。NYダウは76ドル安の2万5656ドル。アメリカ、対中関税第2弾発動、160億ドル分に25%上乗せ。日本郵政が、11円高の1307円と1300円台を回復した。また、ゆうちょ銀行(7182)は、1円安の1299円と株価が逆転した。今年の年初来高値同士で比べると、ゆうちょ銀行のほうが196円も高い。年間配当予想は、どちらも50円。スルガ銀行は、1円高の564円と下げ止まったか? 日経平均は190円高の2万2601円。
「3ブランド共通割引券」の結果はいかに?
【8月25日 土曜日】日経225先物は、10円高の2万2600円。NYダウは133ドル高の2万5790ドル。1ドル=111.23円、1ユーロ=129.29円。
23日、吉野家、はなまるうどん、ガストの3ブランドで共通割引券の発売を発表した(詳しくは「吉野家・はなまる・ガスト『共通定期券』の衝撃」を参照)。1枚300円で8月27日から発売し、使用期間は9月10日(月)から10月21日(日)まで。昨日の株価は、すかいらーくが24円高の1654円、吉野家ホールディングス(9861)27円高の1900円とともに買われた。
私は、どちらも株主で店舗もよく利用している。前々回のはしご定期券(2017年9月15日から10月23日)の時に初めて利用し、この期間、ほぼ毎日、吉野家かはなまるへ行っており、吉野家の戦略にまんまと乗ってしまった。その時思ったのは、いつでも使える無料のクーポンではなく、期間限定でお金を払っているので、使わないと損かなと思わせるのはうまい心理的な作戦だなと思った。
すき家でもこれをマネしていて、スキパス(1枚200円)で牛丼、カレーが70円引きと、なんともすき家らしい価格(吉野家は、80円引き)で、第2弾が8月4日に終了したばかりだ。今回、画期的なのは、企業の壁を超えたキャンペーンということ。このキャンペーン期間は、値引きしているのだから、売り上げは上がるだろうけど、キャンペーン終了後、その反動でしばらく行きたくなくなることも予想される。結果がどうなるのか、注目してみたい。
「完全無料」で爆上げ期待の仮想通貨がもらえる
webセミナーは9月4日
↓
https://bit.ly/2wqsn1m